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相談される人になりたい

  • 執筆者の写真: 傾聴ダイヤル 岡山
    傾聴ダイヤル 岡山
  • 4月13日
  • 読了時間: 3分

更新日:4月19日

髙原優子です。


『気軽に相談されるような人になりたいです』

このようなご質問を受けることがよくあります。




私はそんな時にいつも思うことがあります。

「あなたは気軽に誰かに相談したりお話し出来たりしていますか?」と。

自分が出来ていないことを逆に請け負うことが本当に出来るのでしょうか?


私はまず、しっかり傾聴できる人に自身の話を深く聴いてもらうこととお答えしています。

自身の傾聴体験と自分自身のありのままの感情を体験し受容している状態であることです。それは自分の気持ちを全てさらけだすことではありません。自分の気持ちを欺かないことです。しかし多くの方は傾聴のノウハウをいち早く知りたがります。

教えて差し上げることは全然構いませんし、私がしている程度の技術ならばネットや書籍などで今はすぐ手に入りますが、実際それらの情報を手に入れたとしても…

思うように聴くことが出来ないことが予想されるからです。


ノウハウよりも大切なことがあります。実践よりもっともっと大切なことがあります。

まず自身が聴いてもらうことです。私も沢山聴いてもらいましたし、今でも聴いてもらっています。あなたが聴いてもらえる人をまず探してください。傾聴効果を思う存分、まず満喫してください。満たされた経験はあなたが目指す傾聴のイメージを形作ってくれます。傾聴講座の教科書以上の価値がそこにあります。

相性があるとは思いますからすぐには見つからないかもしれませんが、そこはどうか貪欲に傾聴者を目指している方ならば行動を起こして欲しいと思います。



そしてもう一つ傾聴をする上で大事な意識があります。

聴いてあげる側が上ではありません。偉いのでもありません。

聴いてもらう側が弱い人なのでもありません。かわいそうな人でもない、下でもありません。

そんなことわかりきっていることだと思われそうなのですが、多くの方がいつの間にか忘れてすり替えてしまっています。そのことに気づいてもいませんし、そこに気づく価値があるとも思ってはいません。


傾聴をこれから勉強したい方の中にお話を伺っていると、”聴いてもらうよりも聴いてあげる側がいい”、”聴いてあげる側になりたい”とこだわっている方がいらっしゃいます。

無意識なのだと思いますがその時点で「自分はもうあの日の弱い人間には戻りたくない」という思いが強く伝わってくるのです。そのために誰かの話を聴きたい自分になってしまっていることに気付いて下さい。

そのような気持ちを持ったままで相手が本当に純粋に、あなたに心を開いてくれるでしょうか?そのような状態で話を聴いていると、何とか問題を解決してあげたいというあなたの気持ちが相手の気持ちを追い越して言葉がしゃしゃり出てきます。相手の気持ちを受け取ることよりも、解決したいあなたが主役になってしまうのです。


相手の気持ちを正しくそのまま受け取ることが出来ていれば、答えは自ずと相手が自分で見つけてくれるものです。例え今は見つからなくてもそれでいいのです。答えが今の時点で見つかることだけが答えでもありません。答えは相談者の方の内にあります。そうでなければ傾聴する意味はありません。



①話を聴く側になる前にまず、しっかり自分が話を聴いてもらう経験を重ねること


②自分の実感と言動・態度がいつも一致していること(=純粋性)


③時に「聴いてもらう人」であり、時に「聴いてあげる人」である意識



この様な人に私達は何気ない話を聴いてもらいたい気持ちになるのではないでしょうか。

相手がどんな人かわからないような人に人は心を開きません。

私自身もお話を聴かせていただく者として、いつも心掛けていることをお話させていただきました。










 
 
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