許せない気持ち
- 傾聴ダイヤル 岡山

- 6月25日
- 読了時間: 3分
更新日:8月17日
髙原優子です。

傾聴を通して話を聴いてもらっていると
全く悩みに関係のないようなことでも、どんな話をし始めたとしても
最終的には今自分が一番誰かに伝えたい思いが言葉になって出てきます。
それは同時に自分自身に伝えたい言葉でもあります。
本当に不思議なのですが、私自身も毎回お話を聴いていて驚かされます。
こんなにも人というものは「自分の気持ちを伝えたい生き物なのか」ということにです。
ひどくお辛い状態の方に、その詳細をこちらが尋ねて引っ張り出す必要もありません。
大げさなことをいうと、「今までで一番嬉しかったことはなんですか?」という
真逆の質問したとしても、今どうして辛いのかという”核”に辿り着きます。
趣味の話でも好きな食べ物の話でもいい、何でもいいのです。
深く話を聴いていくと同じ場所に必ず人は辿り着きます。
その場所があなたそのものなのです。
嬉しいことも、悲しみも苦しみも、全ての感動はその方のその核に(種に)
繋がっています。
ですから、お話が出来ないという『沈黙』であっても同じこと。
言葉にならない、言葉にできない、言葉にしたくない思いというものが、
あなたの辛さや逆に喜びにも直に繋がっている証です。
一見、とても複雑に見える人間模様ですが私にはとってもシンプルに映っています。
その大切な場所に辿り着けるように、あなたの言葉に光をあてて
いつもお話を聴かせてもらっています。
私の言葉はあなたの言葉が私に反射して出てきた言葉です。
それは私の言葉の様ではありますが、あなたがあなた自身にずっと伝えたかった言葉でもあります。
嬉しい言葉ばかりではなく、時に聴きたくない言葉かもしれません。
けれどもそれは、あなた自身も心の何処かでずっと思っていた言葉のはずです。
誰かの言葉で傷付くのは、奥底で自分もそのように思っているから傷付くのです。
見たくない部分、触れられたくない部分を突いてくるから傷付いてしまうのです。
ということは、傷付くということは自分自身の思いにいつも傷付いているということなのです。
その部分をまず、降参して抗わずに受け取ることです。潔く認めることです。
しかし、これが誰でも簡単にできることではありません。
一番難しいことだと重々承知しています。
心理はこれに始まってこれに終わると言っても過言ではありません。
人生は勝った負けたではありません。
自分がこれ以上一番苦しまないために、です。
決して傷付けられた行為そのものを許せと言っているわけではありません。
行為は許さなくていい、けれどその人を許すということが
”過去はもう変えることが出来ない”という事実を認めて
あなた自身を本当の意味で解放してあげることが出来る唯一の方法だからです。
どなたかお一人の方にでも この思いが届くといいなと思っています。



